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★ちょっと小話
農家と漁師の価値
本の感想を書く前に、今日は1つの小話を書きます。
むかしむかしお金という概念がないそのむかし海沿いの小さな村で、1人の漁師と1人の農家が出会った。
漁師は海でとれる鰯だけを毎日食べ、農家は、この時期に畑で収穫できる、キャベツだけを毎日食べていた。
2人とも、何か違う食べ物を食べたいな~と思っていたので、2人が偶然に出会ったことにより、キャベツ10個と鰯10匹を毎日交換しようという話になった。
お互いに違う物が食べたいと思っていたので、2人にとって満足できる取引だった。
そして季節が移り変わりキャベツの収穫時期が終わった。
畑にはまだ次の野菜も実っていなかった。
農家は鰯と交換出来る物がなくなってしまった。
そこで農家は考えて、野菜交換券を作った。
野菜交換券にはこう書かれている「この券1枚で、キャベツ10個分の価値がある野菜と交換します。」
農家は漁師に畑の現状を伝えて、鰯10匹と野菜交換券で交換してもらうことにした。
これは、漁師にとっても好都合だった。
海が荒れて漁に出られない時でも、野菜交換券を使えば野菜がもらえるから。
それからしばらくして畑に沢山のじゃがいもが実った。
でも、今度はその時期に海が荒れてしまい、漁師は漁に出ることができず交換出来る物がなくなった。
なので、漁師は野菜交換券を農家に持って行った。
そして、農家は以前の約束どおり、キャベツ10個と同じ価値があるじゃがいも10個を野菜交換券と交換した。
でも、漁師はとても不満に感じた。
「大きいキャベツ1個と小さいジャガイモ1個が同なのは不公平だ。
じゃがいもであれば20個は欲しい」と農家に要求した。
しかし、農家は反論をした。
「キャベツ1つ育て収穫するのも、じゃがいも1つ育て収穫するのも、同じ時間と手間をかけているので、キャベツ1つもじゃがいも1つも同じ価値がある」と返した。
そして、2人の取引は決裂してしまった。
続きを明日書きます。
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