早速、今年の3/100冊目(去年累計54冊目)
【タイトル】
貧乏入門
【著者】
小池龍之介
【本を読む目的】
持ち物=心のノイズとは
★お金とは
幸福のメカニズムとは
【感想】
むかしむかし、海沿いの小さな村で、
1人の漁師と1人の農家が出会った。
その漁師は、海でとれる鰯だけを毎日食べていた。
もう1人の農家は、この時期に畑で収穫できる、
キャベツだけを毎日食べていた。
そして、2人とも違う食べ物を食べたいな~と思っていた。
そんな2人が偶然に出会ったことにより、
キャベツ10個と鰯10匹を毎日交換しようという話になった。
それから、しばらくお互いが鰯とキャベツを交換する日々が始まった。
お互いに違う物が食べたいと思っていたので、
2人にとって満足できる取引だった。
しかし、、季節が変わり、、
キャベツの収穫時期が終わってしまい、
次の野菜もまだ実っていなかった。
農家は鰯と交換出来る物がなくなってしまった。
そこで農家は考えて、野菜交換券を作った。
野菜交換券にはこう書かれている
「この券1枚で、キャベツ10個分の価値がある野菜と交換します。」
農家は漁師に畑の現状を伝えて、
鰯10匹と野菜交換券で交換してもらうことにした。
これは、漁師にとっても、海が荒れて漁に出られない時でも、
野菜交換券を使えば野菜がもらえるので悪い話ではなかった。
それからしばらくして、畑に沢山のじゃがいもが実った。
でも、今度はその時期に海が荒れてしまい、
漁師は漁に出ることができず交換出来る物がなくなった。
なので、漁師は野菜交換券を農家に持って行った。
そして、農家は以前の約束どおり、
キャベツ10個と同じ価値がある
じゃがいも10個を野菜交換券と交換した。
でも、漁師はとても不満に感じたので、
「大きいキャベツ1個と小さいジャガイモ1個が同なのは不公平だ。
じゃがいもであれば20個は欲しい」と農家に要求した。
しかし、農家は反論をした。
「キャベツ1つ育て収穫するのも、じゃがいも1つ育て収穫するのも、
同じ時間と手間をかけているので、キャベツ1つも
じゃがいも1つも同じ価値がある」と返した。
そして、2人の取引は決裂してしまった。。。
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お金の事を書こうと思ったとき、
こんな物語が浮かんだので、そのまま書いてみました。
農家が作った野菜交換券が、今でいうお金。
お金は本来物々交換での中間的な役割のもの。
だから、お金自体に価値はなく、お金を使うその先に価値がある。
でも、人によってその価値観が異なっている。
漁師は大小に価値観を持っていて、
農家は手間と時間に価値観を持っていた。
そんな価値観が異なる2人が、”キャベツ10個と同じ価値”という
あいまいな言葉だけで取引をしてしまったから、
実際の交換の時に問題が生じてしまった。
では、今の社会のお金の価値は誰が決めているのだろうか?
それは、今の社会システムがお金の価値を決めている。
でも、その社会システムが不安定になったとき、
そのお金の価値はどうなるのだろうか。
今のユーロ安の問題も、ユーロというお金の価値の問題だと思う。
お金の価値は社会情勢で変わるものだとしたら、
大切なのは、社会的価値でお金と付き合うのではなく、
自分自身が価値があると思える物事を基準にして、
お金と付き合っていく必要があるのだと思う。
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