7/100冊目(去年累計58冊目)
【タイトル】
種をまく人
【著者】
ポール・フライシュマン
【本を読む目的・キーワード】
種をまく人
畑に集う人
★生命の成長にふれる人
【感想】
「自分で蒔いた種から、小さい芽がいっせいに
土を割って出てきたの。あのわくわくする気持ちを、
実はわたしすっかり忘れていたんです。」
これは種を蒔く人の中の1フレーズ。
また、別の本になりますが、
衛藤信之さんの「今日は心を見つめる日」の中で、
下記のエピソードがある。
とある小学生がいた。
その小学生は学校に行くことが出来なかった。
それを見ていた畑仕事をしていたおじいさんが、
「トマトを育てるのを手伝ってくれ」と頼んだ。
それから、その子は毎日畑でトマトを育てた。
しばらくしてから、大きなトマトの実がついた。
小学生とおじいさんは、そのトマトを食べた。
「おいしい~」と2人は叫んだ。
おじいさんは小学生に言った。
「こんなおいしいトマトは初めて食べた。
あんたが一生懸命育てたのだから、それも当然だ。
あんた、すごいなあ、
こんなに人が喜ぶトマトが作れるのだから。」
その後、小学生は学校に行けるようになった。
小学生は「だって私、トマト作れるもん」
そんな小さな自信を取り戻せた。
きっと、この子は学校で辛い事、嫌なことがあって、
自信をなくしてしまっていたのかもしれない。
でも、自分でトマトの成長を感じながら
丹精込めてトマトを育てあげ、
それを、おじいさんが「おいしい~」と食べたことによって、
私にも出来ることがあるんだ~と思えたのだと思う。
この2つのエピソード。
僕自身が農業という仕事をしたときに
初めて感じたことでもある。
自分で初めて小さい小さい種を蒔いたときに、
その種から小さい芽が無事に出てきたときは嬉しく感じた。
そして、時間と共に芽がどんどん成長をしていき立派な実がついた。
最後はそれを自分で収穫してその場で食べた。
この時に、野菜はこんなにおいしいものだ~と感動した。
このおいしさの中には、野菜がもつ本来の味と、
その成長のプロセスに一緒に携わった思いが
”おいしい~”の中に含まれているのだと思う。
きっと、トマトの小学生とおじいさんも、
同じだったのではないだろうか。
今、街の中では自然が存在しておらず、
自分達が毎日食べているものの
成長に携わる機会がとても少ない。
でも、
必ずその食べ物があたなの口に入るまでには、
多くの人々が携わり、そこに色々な想いがある。
そして、その今までのストーリーを想像することはできる。
この野菜はどこでとれたのかな?
どんな人々が携わってきたのかな?
どうやって成長してきたのかな?
その食べるものの
今までのトーリーを
想像しながら食べる事で、
その素材の味わいが増え、
食べ物に感謝出来るようになる。
これができると、
「いただきます」
と
「ごちそうさま」
に感謝の気持ちが宿るのだと思う。
今日食べるものの1つでもいいから、
そのストーリーを想像してみてはいかがですか?
種をまく人/ポール・フライシュマン
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