前回の記事まで書いた不安の根柢にあるもの
たぶんそれは死を恐れていること。
その事に気づかせてもたった本がある。
それは手塚治虫の「ブッダ」
お釈迦様のお話を手塚治虫がアレンジした漫画。
今回の震災で不安一杯だったとき、
ふとブッダを読み直したくなったので、
直ぐに図書館で借りてきた。
そのブッダの中で、
今回の自分の不安に気付くお話があった。
それはアッサジとビンビサーラ王の話し。
ブッダと共に旅を続ける少年アッサジ。
アッサジは瀕死の病気になりブッダに助けてもらう。
アッサジが病気から回復した時、不思議な力を持つようになる。
それは予知能力、人の先の人生が見える能力。
アッサジも自分があと10年後に死ぬ事を知る。
そのアッサジの評判を聞いたビンビサーラ王。
ビンビサーラ王はアッサジを呼び出し質問をする。
「自分は後何年後にどのように死ぬのだ?」っと
アッサジは素直に答える。
「20年後に自分の息子に殺されて死ぬ」と
アッサジとビンビサーラ王、
2人とも自分の死を知ってしまう。
ただ、考え方が全然違った。
ビンビサーラ王は1日1日が過ぎるたびに、
自分の死が近づいていると恐れ不安になる。
そして、子どもを産まなければいいとか、
死ぬ日に子どもを閉じ込めておけばいいとか、
自分の死ぬ日までその事で悩み続ける。
手塚治虫著 手塚治虫のブッダの救われる言葉 光文社知恵の森文庫より
一方、アッサジは
淡々と1日1日を過ごす。
そしてブッダに言う。
「これから1日過ぎるごとに森の木1本1本に印を付けてゆく。
そしてあの最後の1本に印を付けたときにバイバイね。」
ブッダはアッサジに質問をする。
「君は死ぬことが怖くないのか?」
アッサジは
「こわいよ、でも、どうしようもないもんね。
それ、おいらの運命だもんね。
こわくっても、いつかはきっとだれでも死ぬもんね。」
ブッダは質問をする。
「ぼくは死ぬことがこわくてしかたないんだが、
死を恐れない秘訣はあるかい?」
アッサジは
手塚治虫著 手塚治虫のブッダの救われる言葉 光文社知恵の森文庫より
この時、自分の不安はビンビサーラ王と一緒だと思った。
わからない先のことを考え不安に思い続けるより、
あえて何も考えないことが重要なのだと。
人は生きているからこそ、いつか死ぬ日が必ずくる。
僕も死ぬことが怖い。
でも、それを考えても答えはみつからない。
きっと、その答えは、死ぬときに分かるのだと思う。
だから、今、わからないこと不安に思う事を考えるのでなく、
いま、この時とワクワクする未来だけを考えるように努力していこう。
ブッダはその事を教えてくれる漫画だと思う。
ブッダ全12巻漫画文庫/手塚 治虫
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今日も1日ありがとうございます。
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