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【タイトル】
ドイツ グリーンツーリズム考
【著者】
鈴江 恵子
【本を読む目的・キーワード】
グリーンツーリズムとは
★自然保護の観点
ドイツ人と話をして
【感想】
ドイツでは1980年代に
農村で使われる農薬の問題、
都市部への人の流失など、
農村の問題が大きくなりつつあった、
そこで、国が農村支援として取り入れたのが、
グリーンツーリズムだった。
農村の自然と田園景観を守り、
人と自然が共存する方法として、
農村のインフラ(宿・道路)のみを整備して、
都市から人を呼ぶことで農村の経済的支援に
つなげようという試みで、今も継続している。
では、日本の場合はどうだろうか。
日本でも農業支援は行われているが、
あくまでも金銭的な補助的なもので、
農村が活性化出来るような仕組みではない。
また、経済バブルの時は、
田園景観保護などを無視して
安易に箱ものやゴルフ場をに開発をした。
その結果、経済が落ち込むと、
それらの一部は廃業に追い込まれ、
田園景観も崩れたままとなっている。
僕が働いている農家の1つの畑の目の前に
とても大きな倉庫が建っている。
この倉庫は経済バブルの時に、
地主からの要請で畑を潰して、
その上に建てたものだとか。
本来、農地法で守られていた土地なのに、
経済効果があるという理由で、
結局、倉庫が建ってしまった。
当時、20年以上維持してきた
微生物が豊富な有機質の畑が潰されていくのを
オーナーは見ていられなかったという。
そして、生命の源ををつくる大地よりも、
収益という視点だけが優先されたことに、
とても残念だったという。
いま、この倉庫を見ている感じだと、
トラックの出入りがとても少ないので
倉庫としての稼働率は高くないだろう。
もし、仮に倉庫として
業務を維持できなくなっても、
もう畑に戻す事は出来ない。
ドイツの自然保護、田園景観を
大切にする気持ちを
日本人も見習うべきだと思う。
ドイツ-グリーン・ツーリズム考―田園ビジネスを創出したダイナミズム/鈴江 恵子
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