なぜ、種を蒔くのか?|タネが危ない

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★なぜ種を蒔くのか?

なぜ、種を蒔くのか?


僕ら日本人は、稲という植物の種(お米)を3000年間、絶えることなく、今日まで蒔き続けてきました。

では、なぜ、日本人は絶えることなく、種を蒔き続けてきたのでしょうか?そう、自分達が生き続けていくため。

春に蒔いた種は、秋には数千倍の種になる。

その種を僕らは自らの生きるエネルギー源として、食べ続けてきた。

僕らが種をまくのは、自分達が生き続けるため。

では、もし、すべての種が、特許製品になったとしたら、それはどういうことになるのでしょうか?特許製品を使用するには、特許利用料が必要になり、すべての種が特許製品になれば、種を買うことにお金が必要になる。

それは、すなわち、自分達が生き続けることにさえ、お金を払って購入するという構図になるのではないでしょうか。

生きることは、誰かのものなのでしょうか。

植物は1粒蒔けば、最後に何千~何万倍の種を残します。

それは、植物が自らの子孫を繁栄させようとする以前に、まるで、自らの子孫を誰かに提供しているように感じます。

それが、自然の恵みであり、それを、僕らはありがたくいただいているのではないでしょうか。

現在の経済システムのなかでは、産業としての農業も重要だと思いますが、自分達が生きる為の営みとしての、農という考え方を、ひとりひとりが、考えてみることが必要なのではないでしょうか?ネイティブアメリカンは言います。

「人は自然から離れると、心が頑なになる。

」「祖先の生き方に還るのは、文化の後退ではない。

」効率的で合理的な社会になればなるほど、多くの人が、大地から、種を蒔くことから、離れていく。

人は合理的で効率化を求められるから、じっくり考えることも、食べる事を楽しみ味わうこともできなくなっていく。

その結果、生きることを見失うのかもしれません。

本来、植物は、非効率で非合理的なものです。

たまには、植物にふれ合う時間、非効率な時間を作ってみることが、人間には必要なのかもしれません。

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